毛利悠子展!

1月31日(金)アーティゾン美術館にて、毛利悠子「ピュシスについて」鑑賞。

毛利悠子は、主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有している流れ・変化に形を与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開きます。本展タイトルに含まれる「ピュシス」は、通称「自然」あるいは「本性」と訳されるギリシャ語です。今日の哲学に通じる「万物の始原=原理とはなのか」という問いを生み出した初期ギリシャ哲学では「ピュシス」が中心的な考察対象となっていました。当時の著者は断片でしか残されていませんが、「ピュシス=自然について」と後世に名称を与えられ、生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす彼らの思索が伝えられています。絶えず変化するみずみずしい動静として世界を捉える彼らの姿勢は、毛利悠子のそれと重ねてみることができます。