横須賀風物百選!


横須賀市安浦町1丁目に在る「赤門」この門は、かつて朱塗りであったことから「赤門」と呼ばれています。
武家屋敷などでは、主家を防衛するために、屋敷の外郭に家来のための長屋を建てて、その一部分を門としました。門の屋根と家屋の屋根を一連にした形の建造物を「長屋門」と呼び、この赤門もその一つです。
初めは上級武家の門で、建て方も複雑堅固なものでしたが、後に武家以外のものでも、特に功労のあった家などには、出窓や出格子のない簡単な長屋門の建築を許されました。
この長屋門の主であった永嶋家は、三浦氏の子孫と伝えられ、戦国時代、小田原北条氏の支配下にあって浜代官を務めました。更に、江戸時代には、三浦郡の総名主を務めたほどの家柄なので、この門の建築を特にゆるされたものと思われます。
かって、この門前の道路は、江戸より浦賀に通じる主要道路でした。明治末期までは、白砂青松を連ねた海に面していて、猿島や千葉の山々が手にとるように見えた景勝の街道で、数多くの旅人の眼をたのしませてきました。門前の右手にある石柱の道標がかすかに当時を物語っています。